脱毛に潜むリスクとは? 脱毛における3つのリスクと対策法
脱毛にはリスクもある
近年、脱毛はおしゃれや身だしなみの一貫としてとても身近になり、誰もが気軽に行えるようになりました。その一方で、様々なリスクがあることも忘れてはなりません。
ここでは脱毛に潜む3大リスクと、それぞれの対策方法についてご紹介します。
脱毛にはどのようなリスクがあるのかを十分に把握し、脱毛サロンを選ぶ際の参考にされてみてはいかがでしょうか?
脱毛リスクその1. 毛嚢炎
毛嚢炎とは?
毛嚢炎とは、毛穴の奥で毛根を包んでいる毛包という組織に、ブドウ球菌が感染して起こる皮膚の炎症です。
白ニキビのような見た目ですが、悪化すると赤みを帯びてきます。
脱毛の熱刺激で誘発される毛嚢炎
毛穴にはもともと、無数の雑菌が存在しています。常在菌と言われ、普段の皮膚環境の中では一定のバランスを保って静かに生息しているものです。しかし、脱毛の際のレーザーや光による熱刺激を受けることで肌のバリア機能にダメージが加わると、雑菌が毛包に入り込んで炎症を起こすことがあります。
毛抜きなどを使って自己処理をした際にできてしまった経験のある方も多いかもしれませんが、実は自己処理後だけでなく、サロンやクリニックで行う脱毛処理の後にも発症してしまうケースがあるのです。
毛嚢炎は誰にでも起こりやすい
毛嚢炎は比較的誰にでも起こりやすいといわれます。
一般的に、女性ではおでこや背中、ワキ、膝、太もも、ふくらはぎ、陰部などに発症しやすいとされ、男性の場合はヒゲの脱毛や自己処理の後に発症しやすいのが特徴。
赤みや痛みが出ていなければ、自然と治る場合が多いようですが、炎症の強いものは赤く腫れ、痛みや痒みがでる場合もあります。
毛嚢炎への対策
毛嚢炎を発症してしまったら…
赤みや痛みが出ていなければ、それほど心配することはありません。肌を清潔に保つように心掛けていれば、自然と治るでしょう。
赤みや痛み、痒みが強く、膿がしこりがみられるような場合、また複数の毛嚢炎が次々とでてくるような場合は、きちんと毛嚢炎の治療を受ける必要があります。
市販薬でも炎症を抑えることは可能ですが、処置が適切でなければ悪化につながる危険性も。例えば通常のニキビと間違えてケアしても、効果はありません。症状が進行する前に、早めに皮膚科へ相談にいくことをオススメします。
毛嚢炎になる前に…
毛嚢炎は、皮膚のバリア機能が低下している場合や衛生状態が悪い場合に起こりやすいもの。
皮膚を清潔に保ち、バリア機能を健康な状態に維持することで、予防できます。
脱毛の施術を受けた部位は、自宅でもアイシングと保湿を行うようにしましょう。寝具やタオルなど肌に触れるものは清潔に保つことを心掛け、汗をかいたらこまめに拭き取り、シャワーを浴びるとよいでしょう。
また生理中の脱毛は避けて、食事や睡眠などの生活習慣を見直すのも効果的です。
脱毛リスクその2. 硬毛化・多毛化
硬毛化・多毛化とは
レーザーや光脱毛の際の熱刺激によって、ムダ毛が脱毛施術前よりも濃くなるケースがあります。
一本の毛が太く長くなることを硬毛化、生えていなかった毛穴から新たな毛が生えてくることを多毛化と呼びます。
多毛化といっても、毛穴そのものが増えることはないため、毛の本数には限界があります。多毛化のように見えて、実は硬毛化である場合が多いようですが、これは毛が太く長くなることによって毛が増えたように見えるためと言われています。
硬毛化・多毛化はなぜ起こるか?
現在のところ、明確な原因は解明されていません。
しかし一般的には、脱毛施術の際の熱量不足によって起こる可能性が指摘されています。
クリニックやサロンで行われるレーザーや光による脱毛は、毛根のメラニン色素へ熱刺激を加えることによって毛根周辺組織を破壊することで脱毛する仕組みです。
そのため、十分に太く黒い毛にはよく反応しますが、細く薄い色の産毛には反応しにくい性質があります。
熱刺激によって破壊にまでいたらない場合、かえって毛根周辺組織を活性化してしまうという可能性があるのです。
硬毛化・多毛化が起こりやすい部位
太い毛の生える部位では起こりにくい一方、産毛の多い部位で起こりやすいとされています。
特にうなじ、背中、二の腕、肩付近などの部位についてはリスクが高いと指摘させることが多いようです。
硬毛化・多毛化への対策
硬毛化、多毛化が起こってしまった場合の対処法は大きく4つ上げられます。
- 熱量を調節する
- 波長を変える
- ニードル脱毛
- いったん脱毛を休止する
熱量を調節する
熱量不足で起こったのであれば、十分な熱量に調節することで対処できるでしょう。ただし、熱量が強いと皮膚へのダメージが増し、火傷や炎症につながる危険性も。さらに、新たな硬毛化、増毛化を起こすリスクもあると言われています。
硬毛化してしまった部位であれば、弱い熱量でも脱毛できるため、熱量を弱めて施術する場合もあるようです。
肌に優しい反面、この方法でもやはり新たな硬毛化、増毛化のリスクは避けられないでしょう。
波長を変える
波長を変えることで光の到達する深さを変える方法があります。毛根のどの位置に熱が届くかによって、脱毛効果は異なります。
波長を変えるためには機種を変更する必要があるため、複数の機械を所有しているサロンやクリニックでなければ実現しない方法ですが、一定の効果は望めるようです。
ニードル脱毛
ムダ毛一本一本に対して電気刺激を与える脱毛方法。毛穴に針を挿入するため痛みが強いものの、確実に毛根を破壊することができます。本数が少ない場合にオススメです。
いったん脱毛を休止する
硬毛化、多毛化が起こったら、しばらく脱毛施術を休止して様子を見るサロンも多いようです。
実際に、硬毛化していた毛が数ヶ月後には薄くなったというケースもありますが、脱毛が長期化するデメリットは避けられません。
硬毛化、増毛化が起こる前にできること
- 硬毛化、増毛化に対応した技術や機種を持つクリニックを選ぶ
- 保証のあるサロンやクリニックを選ぶ
- 毛の薄い部位には行わない
硬毛化、増毛化に対応した技術や機種を持つクリニックを選ぶ
産毛にも効果を発揮するレーザー脱毛機なども存在しています。このような機種を使用しているクリニックや、またそれぞれの毛質に適した熱量で施術できる技術を持ったクリニックを選ぶことで、硬毛化、増毛化のリスクを最小限に抑えることが可能です。
保証のあるサロンやクリニックを選ぶ
無料保証があれば、もし硬毛化や増毛化が起こっても安心です。
硬毛化に特化した保証を設定しているクリニックもあります。
事前に保証内容を確認しておきましょう。
毛の薄い部位には行わない
硬毛化・増毛化は、薄くて細い産毛の生えている部位にだけ起こるもの。
セット契約がお得だったから、などといった理由で、あまり気にならない部位を脱毛することは避けた方がよいでしょう。
脱毛リスクその3. 火傷
場合によっては脱毛施術で火傷を起こしてしまう危険性も…。
脱毛サロンやクリニックで起こる火傷の原因
レーザー脱毛や光脱毛は、光線が毛根のメラニン色素に反応することによって熱が発生し、毛根周辺の組織にダメージを与える脱毛方法です。
このため、施術後の毛穴周辺は軽い火傷をした状態になりますが、サロンやクリニックではこれをただちに鎮めるに、冷却や保湿などの処置をおこなっています。
ですが、もし必要以上の熱刺激が加わった場合、もしくは日焼け肌や乾燥肌など、皮膚の状態に問題があった場合には、深刻な火傷や炎症を負ってしまうケースもあります。
過度な熱刺激による火傷
脱毛の施術は、皮膚が火傷を起こす手前の熱量で毛根の組織にダメージを与えるもの。適切な照射パワーを見極める施術者の技術と、機械が正確に作動することが不可欠になります。もしこれらのどちらかが欠けた場合、皮膚に過度な熱刺激が加わる結果となり、火傷のリスクが高まります。
日焼け肌や乾燥肌のために起こる火傷
脱毛施術は、照射される光線がメラニン色素に反応して毛根を熱で破壊するという仕組み。日焼けによって増加したメラニン色素にも、同じように反応します。そのため、毛根だけでなく皮膚まで火傷を起こしてしまうのです。
さらに皮膚の水分は、通常なら熱刺激を受けた際に蒸散し、肌を冷却してくれる作用があります。
ですが乾燥肌の場合、冷却機能が働かないため火傷を起こす危険性が高まるのです。
脱毛による火傷の症状
施術直後から、数時間後に赤みが出てきたり、ヒリヒリと感じた場合は、軽度の火傷の可能性があります。
早めに冷やすことができないと、悪化して水膨れになることもあります。
また脱毛処理後に水膨れや痛みがある場合は、中度の火傷を起こしている可能性があります。
水膨れは、皮膚の奥にまで炎症が達している証拠。水膨れを破ってしまうと、感染症の恐れもあるため要注意です。
脱毛による火傷への対策
脱毛で火傷をしてしまった場合の対処法を3つに分けてご紹介します。
- 過度な熱刺激による火傷の場合
- 日焼け肌や乾燥肌による火傷の場合
- 脱毛による火傷の対処法
過度な熱刺激による火傷の場合
的確な施術であれば、過度な熱刺激を受ける危険性はほとんどないでしょう。
信頼できる技術と性能のいい機械を持ったサロンやクリニックを選ぶことが重要です。
またサロンの契約前に、火傷への予防レベルについて確認しておくとよいでしょう。
日焼け肌や乾燥肌による火傷の場合
脱毛を受けるなら、日焼けや乾燥を防ぐよう日頃から肌をケアしておくことが大切です。
火傷を起こさないように照射パワーを低く調整して施術を行うこともありますが、その場合、脱毛効果が低下してしまいます。
脱毛による火傷の対処法
もし脱毛の施術で火傷をしてしまったら、早めの対処が肝心です。
流水もしくは洗面器などに水を張った状態で、患部を水に浸け冷やしましょう。ほてりが落ち着くまで15分~30分程度冷やして、様子をみます。
痛みが引かない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
火傷をそのまま放置したり、水膨れを潰したりすると、回復が遅れ、傷痕も残りやすくなるので注意が必要です。
脱毛のリスクをよく理解しよう
安心・信頼できる脱毛サロン・クリニックを選ぼう
気軽に肌をキレイにできる脱毛ですが、処理するムダ毛は、そもそも人間の皮膚から自然と生えてくるもの。お手入れする以上、皮膚に一定の負担をかけることは避けられません。
安心して施術を続けていくためにも、脱毛のリスクをよく理解し、信頼できる脱毛サロン・クリニックを選びましょう。
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